障害者グループホームの夜勤と聞いても、実際にどんな仕事をしているのか、イメージしにくい方は多いのではないでしょうか。
「夜中は何をしているの?」
「仮眠は取れる?」
「一人勤務でトラブルが起きたらどうするの?」
これから夜勤で働こうと考えているなら、こうした疑問や不安も浮かぶと思います。
僕は現在、障害者グループホームで夜勤の仕事をしています。働き始めてから数年が経ち、今では一通りの業務に慣れました。
とはいえ、最初から不安がなかったわけではありません。利用者への対応に戸惑うこともありましたし、今でも夜中の眠気には苦労します。
今回は僕の実体験をもとに、19時の出勤から翌朝7時の退勤まで、夜勤の現場でどんな仕事をしているのかをまとめました。
仮眠や待機時間の過ごし方、実際に経験したトラブルについてもお話しします。
※施設によって仕事内容や勤務体制は異なります。この記事は、あくまで僕の勤務先での体験談として参考にしてみてください。
僕が働いている障害者グループホームの夜勤について
まずは、僕の勤務環境を簡単に紹介します。
勤務時間は、19時から翌朝7時までの12時間。
利用者は全体で15人前後で、夜勤は基本的に僕一人のワンオペ体制です。
利用者の中には、身の回りのことを自分でできる方もいれば、日常生活でさまざまなサポートが必要な方もいます。
言葉でのやり取りが難しい方や、トイレに行く際に介助が必要な方、ひげ剃りや着替えに手助けがいる方などさまざまです。
主な仕事内容は以下の通りです。
- 利用者の巡回・見守り
- 服薬支援
- トイレ誘導
- 更衣や身だしなみの支援
- 利用者の様子の記録
- 夜間に発生したトラブルへの対応
基本的には1時間おきに棟内を巡回し、利用者の安全や体調に異変がないかを確認します。
夜間は静かに過ごせる時間帯もありますが、利用者の状況によって忙しさが大きく変わる仕事です。
それでは、実際の1日の流れを見ていきましょう。
障害者グループホームの夜勤の1日の流れ
【19時】出勤・申し送り・最初の巡回
19時に出勤したら、まずは交代する支援員から「申し送り」を受けます。
利用者の様子に変わりはないか、体調面で気になることはないか、引き継ぐべき連絡事項がないかなどを確認します。
申し送りが終わったら、男性棟と女性棟の巡回へ向かいます。
テレビを見ているのか、すでに寝ているのか、トイレに行っているのかなど、一人ひとりの様子を確認していきます。単に姿を見るだけでなく、普段と違うところがないかを観察するのが大切です。
巡回した内容は、その都度記録します。僕の職場では紙とパソコンの両方を使って記録しています。最初は覚えることが多くて大変でしたが、今ではルーティンとしてこなせるようになりました。
【19時30分〜20時】利用者とのお茶の時間
19時30分から20時ごろにかけては、利用者との「お茶の時間」です。
リビングにお茶を用意すると、利用者が三々五々集まってきます。お茶を飲みながら会話を交わしたり、一緒にテレビを見たりして過ごす時間です。
全員が集まるわけではなく、自分の部屋でゆっくり過ごす方もいます。
この時間は、利用者と自然にコミュニケーションを取れる貴重なひとときです。性格も話し方も一人ひとり違うので、数年働く中でそれぞれの利用者に合った接し方や距離感が少しずつつかめてきました。
【20時〜深夜0時】巡回・服薬支援・見守り
20時ごろ、再び巡回を行います。
夜に薬を飲む利用者には、このタイミングで服薬の支援をします。
以降は基本的に、20時、21時、22時……と1時間おきに巡回していきます(状況によって5〜10分ほど前後はします)。
巡回以外の時間はリビングなどで待機し、館内モニターを見ながら異変がないか見守ります。何もなければ落ち着いて過ごせる時間ですが、呼ばれればその都度対応します。
この時間帯から特に大切になるのが、トイレ誘導です。
僕の勤務先には、言葉での意思表示が難しく、ズボンを下ろす動作にも介助が必要な方がいます。その方には、様子を見ながら3〜4時間に1回を目安に声をかけてトイレへ誘導します。
排便のサポートが必要な場合もありますし、失禁があれば体をきれいに拭いて着替えてもらいます。シーツが汚れていれば交換し、洗濯機を回すこともあります。
毎回発生するわけではありませんが、夜勤中には欠かせない仕事の一つです。
【深夜0時〜朝5時】比較的落ち着いている時間帯
深夜0時を過ぎると、ほとんどの利用者が眠りにつきます。
僕の職場では、深夜0時から朝4〜5時ごろまでは比較的落ち着いていることが多いです。
もちろん、寝静まっているからといって仕事がなくなるわけではありません。1時間おきの巡回は続けますし、途中で起きてきた方のトイレ誘導などがあれば対応します。
また、利用者の中には朝4〜5時ごろから起き始める方もいます。
日によって静かな夜もあれば、突発的な対応が続く夜もあるため、気を抜かずに状況を見守りながら過ごします。
【朝6時〜7時】1日の中で最も忙しい時間帯
僕が夜勤の中で一番忙しいと感じるのが、朝6時から7時ごろです。
この時間になると利用者が次々と起きてくるため、複数の仕事が一気に重なります。
- ひげ剃りや更衣の手助け
- 起きてきた方のトイレ誘導
- 失禁がないかの確認、シーツ交換や着替え
- 洗濯の声かけ
- 利用者の様子の記録
夜中は静かでも、朝を迎えると現場は一気に慌ただしくなります。
ワンオペで複数の利用者を同時に見ていくため、朝の1時間は次から次へとタスクをさばいていく感覚です。
そうして朝の準備と記録を終え、朝7時になると勤務終了となります。

夜勤中の仮眠と眠気について
仮眠は取れる?僕の勤務先の場合
夜勤を考えるにあたって、仮眠事情は気になるところだと思います。
結論から言うと、僕の勤務先には決まった仮眠時間がありません。その日の利用者の様子を見ながら、合間を縫って自分で休む時間を調整しています。
実際には、細切れの休憩を合わせて1〜2時間ほど目を閉じる日が多いです。
ただし、仮眠用のベッドはありません。椅子に座ったまま休む形になるため、横になってぐっすり眠ることはできない環境です。
夜間も1時間おきの巡回や見守りがあるため、まとまった睡眠を取るのは難しいのが現実です。
※仮眠のルールや休憩環境は施設によって大きく異なるので、あくまで一例として捉えてください。
夜勤で一番大変なのは「眠気との戦い」
数年夜勤を続けてきて、僕が一番大変だと感じているのは、利用者対応そのものよりも「夜中の眠気」です。
特に深夜、館内が静まり返って仕事が落ち着いている時間帯ほど、強烈な眠気に襲われます。
そんなときは、以下のようにしてしのいでいます。
- 廊下を少し歩いてみる
- ストレッチをして体を動かす
- 椅子に座って楽な姿勢で目を閉じる
- 音声コンテンツを聴く
巡回や利用者対応を最優先にしつつも、12時間の勤務中ずっと高い集中力を保ち続けるのは無理があります。仕事に支障が出ない範囲で適度に休息を挟みながら、朝まで持たせているのが本音です。
業務量の多さだけでなく、この「眠気とうまく付き合えるかどうか」が夜勤を続けるポイントだと感じています。
待機時間にはパソコン作業をすることもある
僕の場合、業務が落ち着いている待機時間にパソコン作業をすることもあります。
普段からブログ運営やFXの検証、AIの勉強などをしているため、利用者対応がない時間を使って作業を進める形です。
比較的集中できるのは21時から深夜0時ごろ。この時間帯ならまだ眠気も少なく、落ち着いて作業に向かえます。逆に深夜0時を過ぎて眠気が強くなってきたら、無理に頭を使う作業は避け、簡単な作業や動画・音声の視聴に切り替えます。
ただし、待機時間は完全な自由時間ではありません。
物音が聞こえたり、トイレ誘導が必要になったりすれば、当然そちらが最優先です。作業の途中でもすぐに中断して動きます。
また、勤務中の私的なパソコン作業が認められているかどうかは職場によります。どこでもできるわけではない点は留意してください。
夜勤中に実際に経験したトラブル
普段は比較的穏やかな現場ですが、これまでに突発的なトラブルも経験しました。
夜勤は基本的に一人なので、何かが起きたらまず自分で初期対応をする必要があります。実際にあった事例を2つ紹介します。
利用者が落ち着かなくなった夜
ある利用者が夜間に精神的に不安定になり、普段と違って落ち着かない様子が続いたことがありました。
何度もトイレに行ったり廊下を歩き回ったりし、さらには外へ出ようとしてしまったのです。
安全のために外へ出るのを止めようとしたところ、叩かれてしまったこともありました。
その日は朝まで落ち着かない状態が続いたため、本人の安全を確保しつつ、他の利用者に影響が出ないよう気を配りながら対応しました。普段は穏やかでも、心境や体調によって急に変化することがあるのも夜勤の難しさです。
夜中にトイレの水が逆流したトラブル
別の日の深夜、トイレの水が逆流してあふれるトラブルがありました。利用者が一度に大量のトイレットペーパーを流してしまい、配管が詰まってしまったのが原因です。
廊下にまで水があふれて一面水浸しになり、夜中にモップで水を外へかき出し、床を拭き上げる作業に追われました。これを一人で片付けるのはなかなか骨が折れました。
もちろん、すべてのトラブルを一人で背負い込む必要はありません。どうしても自分一人で対処できない重大な事態が起きたときは、管理者に電話で連絡して指示を仰ぐ体制が整っています。
普段は静かでも、こうした想定外の出来事が起こる可能性は常に頭に置いています。
夜勤を数年続けて感じていること
最初は一人勤務に不安もあった
今でこそ慣れましたが、働き始めた頃は一人勤務に対して大きな不安がありました。
「もし利用者が暴れたらどうしよう」
「失禁や排便のトラブルにうまく対応できるだろうか」
先輩職員からやり方は教わっていたものの、未経験のことばかりで心配だったのを覚えています。
最初の3回ほどは先輩職員と一緒に夜勤に入り、業務の流れや介助手順を教わりました。その後一人立ちしたのですが、最初からスムーズにいけたわけではありません。
それでも回数を重ねるうちに少しずつ慣れ、1年経つ頃には「一通りのトラブルには対応できる」という感覚がつかめました。数年経った今では、大抵のことは一人で落ち着いて対処できるようになっています。
いざというときは管理者に連絡できる後ろ盾もありますし、経験の積み重ねが自信につながっていったと感じます。
利用者との関係が少しずつ変わってきた
夜勤を続ける中で、利用者との関係性にも変化がありました。
実はこの仕事を始める前、僕は障害のある方に対して少し身構えてしまうところがありました。「話が通じないのではないか」「どう接していいか分からない」という漠然とした不安があったのです。
しかし、現場で時間を共に過ごすうちに印象は変わっていきました。それぞれに異なる個性や性格があり、次第に親しみを感じる場面が増えていったのです。
特に印象深いのは、トイレ誘導が必要な利用者との関係です。
言葉での意思表示が難しい方で、以前はこちらからタイミングを見計らってトイレに誘っていました。それでもタイミングが合わずに失禁してしまうことがありました。
ところが、長く関わりを続けるうちに、その方に変化が現れました。最近ではトイレに行きたくなると、自分から部屋を出て僕に身振りで教えてくれるようになったのです。失禁もほとんどなくなりました。
僕が何か特別な指導をしたわけではありません。それでも、時間をかけて関係を築いたことで、少し信頼してもらえたのかなと感じます。
利用者が以前できなかったことを、少しずつできるようになっていく姿を見られるのは、この仕事をやっていて素直に嬉しい瞬間です。

一人勤務の気楽さと責任
僕はもともと、一人で自分のペースを守りながら働くのが好きなタイプです。
そのため、ワンオペ夜勤には大きなメリットを感じています。人間関係のストレスが少なく、自分の段取りで淡々と仕事を進められる環境は、僕にとっては非常に合っていました。
もちろん、一人だからこその大変さもあります。トラブルが起きれば自分で動かなければなりませんし、勤務中は話し相手もいません。気楽さの裏には責任が伴います。
ただ、そうした責任感も含めて、今の僕にはちょうどいい距離感の働き方だと感じています。
まとめ|障害者グループホームの夜勤はどんな仕事?
今回は、僕が働く障害者グループホームの夜勤(19時〜翌朝7時)のリアルな流れをご紹介しました。
夜勤の主な仕事は、巡回・見守り・トイレ誘導などを通じて、利用者が夜間を安全に過ごせるようにサポートすることです。
深夜帯は比較的静かな時間も多いですが、突発的な対応があればいつでも動く必要があります。そして朝6〜7時は起床介助が重なり、1日の中で一番のピークを迎えます。
僕にとって夜勤で一番大変なのは「眠気との戦い」ですが、経験を重ねるにつれて利用者との信頼関係も生まれ、やりがいを感じる場面も増えてきました。
施設によって業務内容や忙しさ、休憩の環境はさまざまです。
これから障害者グループホームの夜勤に挑戦しようと考えている方にとって、実際の働き方をイメージする一つの材料になれば幸いです。

